男性の育児参加が推奨されるようになり、「イクメン」という言葉が誕生して10年近くになります。
理想と実態は大きく異なるものの、女性の社会進出と男性の育児参加は比例するように、緩やかに増えてきているように感じます。
ただ、まだまだ女性が育児の主体を担っている家庭がほとんどである事は、平日の児童館に母親しかない事からも見て取れます。(という話は妻に聞いた所でありますが。。)
男性の育児参加が進む事を願いつつ、平日は仕事に励んでいる私ですが、「イクメン」という言葉について考えてみました。
「イクメン」という言葉は定着したのか?

2010年に「イクメン」という言葉が生まれ、大流行しました。
世の女性も経済力がついてきた事もあり、結婚するなら家事や育児をしてくれる男性が良いという風潮に変わってきました。
男性が家事や育児をする事は今では当然というように感じますが、つい10年前までは男性は外で働き、休日も家事は女性の仕事というのが当然の世の中でした。(少なくとも、私が育った家はそうでした。)
その時代から、考えると「イクメン」である事が当然であるようになり、「イクメン」という言葉自体は使われる事はなくなってきたように感じます。
「イクメン」という言葉はもとより、育児をする男性という概念は定着してきたように感じます。
しかし、それと同時に育児を全くしない男性が多いという事も事実です。
個人によって子育てに対しての考えは異なるように、家庭によって男性の育児参加の割合は大きく異なるように感じます。
そう考えると、育児を積極的にしてくれる男性と結婚したいという女性は10年前から変わっていないかもしれません。
「イクメン」という言葉に母親も父親もモヤモヤ
母親目線で「イクメン」にモヤモヤ

女性目線からの「イクメン」という言葉へのモヤモヤはわかりやすいかと思います。
2人の子供なのだから、父親も子育てをするのは当然だ!なんで育児をする男性がもてはやされるんだ?
私はいつも褒められる事もなく、毎日、家事や育児をやっているんだ。そう思うのは当然だと思います。
共働きの家庭の場合、同じ時間仕事をして家庭の仕事に差が生まれやすいので、そのモヤモヤはより強いものになると思います。
そして、「イクメン」というマイノリティの存在のせいで、うちの旦那は一切、育児をしないというモヤモヤが生まれるのも事実だと思います。
程度の差こそあれ、育児に参加しない男性はまだまだ多いのに、「イクメン」という言葉は夫に対しての不満を助長させたようにも思われます。
父親目線で「イクメン」にモヤモヤ

「イクメン」という言葉にモヤモヤするのは、母親だけでなく、父親も同じだと思います。
とある休日の事です。私(=父親)1歳前の娘を休日に子供プラザに連れて行った事がありました。
すると、プラザのスタッフの方に「イクメンだ!偉いね〜!」と言われました。
私としては、妻にも休息が必要だと思っただけで、別に偉いつもりもなければ特別な事をしているつもりはありませんでした。
スタッフさんも良い意味で使ってくれての言葉だというのは文脈からもわかりましたが、少しモヤモヤしました。
男性も育児をするべきだという声がある一方、実際に男性のワンオペがマイノリティなので居心地の悪さは少なからず感じます。
そして、男性も育児をするべきだという世論の割に、それを受け入れる世の中になっていない事にモヤモヤしてしまうのです。
社会はいきなりは変わらない。時代の先頭を走ろう!

父親の育児が推奨され、実際に少しずつ変わってきた入るかもしれませんが、あくまでも「少しずつ」です。
社会はいきなりは変わりません。
男性が育児休暇をとりやすい環境が整っているかというと、そうでない会社がほとんどだと思います。
公共の施設は子育ては女性がすることを前提として作られているようにさえ感じます。
男性が育児をするという概念が生まれて、まだ10年足らず。
モヤモヤする事は多いかもしれませんが、モヤモヤしているという事は、育児に対してしっかりと向き合う事ができている証だとも言えると思います。
「イクメン」という言葉に違和感を感じる男性は、自分自身が率先して育児に参加して、社会が変わる先頭を走る!くらいの気持ちでいた方が良いかもしれません。