日本の終身雇用制度は既に崩壊し、ひとつの会社で勤め上げるのではなく、転職を繰り返す中でキャリアを積むという考え方も一般的になってきました。
ひとつの会社で働くのが良いか転職をするのが良いかは、それぞれに長短があるので正解はありませんが、転職をすることが前向きに捉えられるように変わってきたのは事実です。
転職の成功例や失敗例はよく耳にしますが、失敗例で多く挙げられるのが、転職前の職場がいかに恵まれていたかを転職後に知るというケースでしょう。
今回は、転職活動に失敗しない為に「足るを知る」べき理由について解説していきます。
目次
転職する理由の建前と本音
転職する理由は様々あると思いますが、建前と本音の理由があると思います。
建前で言うと、キャリアアップであったりより良い環境をというようなポジティブな考えになるでしょう。
それに対して本音で言うと、職場の人間関係が悪い、労働環境が悪い、給料を低い。といったようなネガティブなものが多いと思います。
面接の際には建前も必要かと思いますが、自分自身の本音とは向き合わないといけません。
ただ1点気を付けないといけないのが、本音と向き合うと、現職の悪い点ばかりに目がいってしまいがちです。
悪い点ばかりでなく恵まれた点を理解しておかないと、新しい環境を行く際に思わぬ落とし穴があるかもしれません。
転職活動をする時には「足るを知る」べき理由
転職活動をする際、現職に対しての悪い所ばかりに目がいきがちですが、良い所も知っておかなければなりません。
そう考える理由は下記の3点があります。
- 条件が悪くなることを想定できる
- 転職先の悪い条件に目を向けることができる
- 気付いていない条件を知ることができる
条件が悪くなることを想定できる
当然ではありますが、それぞれの職種や職場にはそれぞれ長短があります。
現職の悪い点を良い条件に変えることばかり考えてしまうと、現職の良い点が悪い環境になるということもあります。
例えば、「労働環境は良いが給料が安い」という環境で昇給を求め転職した結果、労働環境が劣悪すぎてすぐにやめてしまった。という話は時々耳にします。
この人の場合、労働環境が良いという事実を理解していたら、転職先の選択は違っていたかもしれません。
転職先の悪い条件に目を向けることができる
転職をするということは、給料や労働環境を改善する為にする行為であるにもかかわらず、条件が悪化したということはよく耳にします。
仕事内容なのか、お金なのか、環境なのか?自分にとって何がどのくらい重要かが上手く理解できていなかったからでしょう。
採用を行っている会社も、新しい人材を採用したくて良いようにアピールしてきます。
本当のことは、会社の中に入ってみないとわからないこともありますが、現在恵まれた点を知ることで会社に対しての質問の幅が広がると思います。
気付いていない条件を知ることができる
転職をする際に条件は、今恵まれていないことを改善することが第一条件だと思います。
例えば、Aさんは手取り15万の給料を20万に上げたいと思い転職をしたとします。
Aさんはほとんど残業がない会社をやめ、サービス残業が当たり前の会社に転職しました。
給料はたしかに上がりましたが、家族で過ごす時間は減り、ストレスで毎日会社に行くのが嫌になりました。
この場合、当たり前に手に入っていた労働環境は、どこでも手に入るという錯覚が生じていた為に起きたミスだといえます。
気付いていなかったけれど、Aさんにとっては労働環境も重要な条件だったのです。
転職前の職場の労働環境の良さを理解していればこのようなミスは起きなかったかもしれません。
自分は恵まれていることを知ろう
人はより高みを目指すべきで、現状に満足をしたら高いに到達できない。
という考えはわからなくはないですが、現状に満足することも大切だと思います。
自分が恵まれていることを知ることが無ければ、幸せに感じる機会は減ってしまいます。
既に恵まれていることを理解しつつ、改善の余地があるものを理解することができれば、より良い環境を手にすることができるでしょう。
「足るを知る」ことは、人生において幸せのキーワドかもしれませんね。